PTCサーミスタ(positive temperature coefficient thermistor)はチタン酸バリュウム系酸化物半導体の一種です。材料組成によって設定できるスイッチング温度を持ち、この温度で起こる相転移によって抵抗値が急激に増大する性質を持っています。
これらの性質を利用し定温度発熱体、電流制限素子、温度センサとして各方面の分野で使用されています。弊社では発熱特性を利用した温風ヒータをメインに製品化しております。
PTC素子をフィン形アルミニウムの中に収納した構造をしており空気を通すことにより大電力が取り出せ、高温度の温風を供給することができます。

●自己温度制御を行うため外部からの温度制御は不要です。
●温度上昇が速やかです。
●周囲温度や電圧変動に対しても安定した発熱特性が得られます。
●圧着端子により端子配線が容易です。

◎衣類乾燥機
◎ハンドドライヤー
◎浴室乾燥機
◎布団乾燥機など
◎温風器
◎温風コタツ
◎エアコン補助ヒータ


1.抵抗値
周囲温度25℃において1.5VDC以下の電圧で測定した抵抗値です。

2.抵抗-温度特性(R-T特性)
各温度で十分安定させた後の電気の抵抗を1.5VDC以下の測定電圧で測定すると図-1に示すような抵抗−温度特性が得られます。
Ts:スイッチング温度
急激に抵抗値が上昇する温度でありR25の抵抗値の2倍に達する温度を定義してます。
このスイッチング温度が発熱体の温度を決める重要な特性です。
材料組成により調整が可能です。

3.電圧−電流特性(V-I特性)
PTC素子の電極間に電圧を徐々に増加させていくと図-2に示すようにジュール熱による自己発熱が起こりスイッチング温度付近から抵抗値が上昇するため電流が減少してきます。更に電圧を増加させると最終的に素子が熱暴走し破壊が起こります。(VB)
定格電圧(WV)
長時間印加しても使用可能な入力電圧をいいます。
最小電流値(Vimin)
電流値が最小になる電圧です。

4.電流減衰特性
PTCサーミスタの電極間に電圧を印加すると図-3に示すような電流減衰特性が得られます。初期は抵抗値が低い為に突入電流が流れますが、自己発熱と共に電流が減衰し熱放散とのバランスで平衡点電流(出力)が得られます。
放熱フィン形状や周囲温度、風量、電圧などで変わります。

5.発熱特性
PTCサーミスタ素子にコルゲート形フィンを密着させ電圧を印加すると、PTC素子の発熱とともにフィンが暖まり、ファンで空気を通すことにより温風が得られます。
PTC素子のスイッチング温度、風量、フィン形状などで発熱量を変えることができます。


項 目 条  件 仕様値




消費電力(P25) 室温25℃±1℃にて、別途規定する条件で定格電圧印加し、安定時の電流を測定して算出する。
(素子1個当たり0.1m3/分の空気を通過させる)
規格内のこと
常温抵抗値(R25) 室温25±1℃にて、1.5V以下の端子電圧で測定する。
突入電流(I max.) 室温25±1℃無風状態にて、定格電圧を印加した時の最大電流値を測定する。




フィン接着強度 アルミフィンを裂く方向に、端子部を14.7N(1.5Kgf)の力で引っ張る。 フィンの山が
取れない事
落下 所定の梱包状態で75cmの高さより正方状態でコンクリート床面に落下させる。 抵抗値変化率:±5%
ワレ、カケのない事
耐振動 振動機を用い下記の振動を加える。
加速度:19.6m/s2
周波数:15〜60Hz 10分スイーブ
方 向:X,Y,Zの各方向に2時間
抵抗値変化率:±5%
発熱量変化率:±5%
破損、緩み等なき事
端子力シメ強度 ヒータユニットを固定し、端子部を98N(10Kgf)の力で引っ張る。 抵抗値変化率:±5%
破損、緩み等なき事
端子曲げ強度 フィン端子の根元の8Φの丸棒を当て90°に1往復曲げる。 端子部に亀裂損傷の
ない事




連続通電性特性 常温・常湿中の無風状態にて、定格の1.2倍の電圧を400時間印加する。
発熱量変化率 :±10%
抵抗値変化率 :+30%
:-10%
通風連続通電特性 常温・常湿中にて、定格電圧を印加し、定格の消費電力になる様に風量を調節した後、定格の1.2倍の電圧を連続2,000時間印加する。
通風断続通電特性 常温・常湿中にて、定格電圧を印加し、定格の消費電力になる様に風量を調節した後、定格の1.2倍の電圧を1分間ON、1分間OFFのサイクルで10,000回繰り返す。
冷熱サイクル特性 空気槽中にて、-20℃1時間と+120℃1時間の放置サイクルを20回繰り返す。


1. ヒータ取り付け部の設計に当たっては、ヒータの表面温度を考慮してください。
2. ヒータは動作時に熱膨張しますので、取り付け部には間隙を設けるようにしてください。
3. 突入電流がありますので、ヒューズ、ブレーカー等に対する配慮が必要となります。
4. 定格電圧以内でご使用ください。
5. フィンは活電部となっていますのでヒータ取り付けの際、絶縁を考慮した設計が必要です。
6. ヒータに通電中は手を触れたり、金属片等を差し込んだりしますと大変危険ですので絶対になさらないでください。
7. 埃、ゴミ等によるヒータの目詰まりを防止するために、フィルターをご使用ください。


当製品は、一般環境(常温、常湿、常圧の室内)下での使用をもとに設計したものです。
以下に示す環境でご使用になりますと、特性が劣化する場合があり、最悪の場合故障や損傷の原因になりますので使用しないでください。
1. 多量の水滴、塩水、油、有機溶剤等のかかるところ。
2. 金属粉塵が当たるところ。
3. 強い還元雰囲気中(塩素ガス・硫化水素ガス・アンモニアガス・酸化硫黄ガス・酸化窒素ガス・亜鉛酸ガス・塩化ビニール・塩化系発泡スチロールの分解ガス等)。
4. 揮発性、引火性のあるガス雰囲気。
5. 振動の激しいところ。
6. 減圧、加圧された空気中。

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